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久世光彦  一九三四年冬―乱歩

一九三四年冬―乱歩
一九三四年冬―乱歩
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久世 光彦
新潮社 (1997/01)
売り上げランキング: 79,447
おすすめ度の平均: 4.75
5 中年男の官能に静かな火をともす
4 乱歩以上に乱歩
5 香り、匂い

昭和の色気と気品

また、一人、敬愛する作家が世を去った。名前は著名でなくても、新聞記事を目にすれば、年輩者ならば誰でも知っている人物、TVプロデューサー久世光彦氏。「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」の演出をてがけた人物である。

これらの名物ドラマにも、おだやかに、したたかに、久世氏好みのレトロな昭和の甘美さをしこませていたが、演出家を辞めてからの晩年は、やりたかった事を我慢していたかのように、幻想小説、エッセイを精力的に執筆していた。

本書は、まさに、幻想文学の1つのモチーフの類型の如く、小説の主人公が怪奇小説の江戸川乱歩という設定である。スランプに陥った乱歩が、行方をくらました先で次々と出会う、甘美な人々との出会いという迷宮である。

乱歩もまた、世間の要望に応えて、大衆向けの娯楽怪奇小説を大量に執筆したが、マニアの好みはマイナーな初期の短篇の奇譚集であった事が、久世氏の創作活動と重なって幻惑を感じる。

思うに、田舎育ちのレビュアーにとって、東京の旧家、良家に育った作家には独特の審美感を感じる。それは、澁澤龍彦氏に代表され、事故氏した景山民夫氏であり、久世光彦氏であった。

久世氏のマイナーな作品としては昭和幻燈館もお薦めである。

向田邦子氏脚本とのゴールデンコンビのドラマはDVD化されているとのことで、こちらもぜひ観賞したいと考えている次第である。合掌。

向田邦子X久世光彦スペシャルドラマ傑作選(昭和57年~昭和62年)BOX
レントラックジャパン (2005/09/22)
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おすすめ度の平均: 4
4 向田邦子X久世光彦X田中裕子

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