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下流社会 新たな階層集団の出現

下流社会 新たな階層集団の出現
三浦 展
光文社 (2005/09/20)
売り上げランキング: 362
おすすめ度の平均: 3.02
5 下流と上流の違い
5 なってきた
3 社会の現状を理解する手がかりが得られる。

収入が人格でないはずだが

タイトルの過激さは、いかにも光文社のつけそうな、ネーミングである。希望格差でもなく、不安の時代でも、キャピタルフライトでもなく、はっきりと下流社会である。中流の時代の終焉をあからさまに象徴している。
 経済構造と価値観の転換期に、収入と人格な相関があるのだろうか。それが本書の率直な印象である。確かに日本が経済的にトップであった時期、高貴なるものの義務として、お金もちの公益的活動が、かつての米国の置く大富豪がそうだったように、求められた。あるいは故事いわく、衣食足りて礼節を知るであろう。しかし、解決の糸口なしに、マーケティングのデータだけで下流社会という見も蓋もない、表現には一端の疑問を感じる。

 何が正しいか、世論も、現代思想も語ることが困難な時代である。間違いなく断定できることは、既存の処世ルールが機能する保証はなく、誰もがわからない時代を、自分で考えた自己規範で、生きていくことしかない。ビジネス雑誌に必ず登場するのが脱サラして、給与が半減し、今まで得られなかった生きがいを感じたという,パターンの(演出の余地はぬぐえないが)囲み記事である。そんな記事にさえ、否定できない時代である。下流社会というネーミングはあまりにも、救いのない言葉である。

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 事務所の近くに,ひだまりパークという場所があります。  地域に潤いをもたせる空 [Read More]

Tracked on December 07, 2005 at 09:33 PM

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