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いちばん大事なこと―養老教授の環境論

いちばん大事なこと―養老教授の環境論
養老 孟司
集英社 (2003/11)
売り上げランキング: 21,104
おすすめ度の平均: 4.08
4 養老氏、環境問題を語る。
5 養老さんの環境論
5 自然保護とはでなく、自然とは何かを教えてくれます
環境論を語るには自然コントロール万能の認識の改める必要がある レビュアーが養老先生に巻頭から同意するのは「環境問題」の扱いの難しさだ。1つには環境が一番という原理主義。人間から愛らしく見える生物の愛護の一方、細菌やゴキブリなど忌み嫌われる生命の絶滅には誰も興味を示さないだろう。捕鯨問題の政治的側面も同様だ。という側面で「地球にやさしい」というスローガンは「ヒトが持続して生きていける環境推進」という人間中心主義にほかならない。それを人間のためでなく地球のためにと口に出してしまったとたん、嘘(白黒はっきりわからない事を断定してしまう)が露呈する。とは言っても、レビュアーも地球環境の破壊には危機感を感じる。養老先生が本書で訴えている主張には「唯脳論」から昨今の著作に一貫したテーゼがある。それは(ヒトには万物をコントロールしたいという欲望があるが(池田清彦氏著作の引用))自然を科学ではコントロールする事(脳の都市化)は極めて困難であり、すなわち環境論を語るにはその複雑系としての認識とコントロールの難しさを把握しないではすまされないという論理である。本書でも書いているが「それではどうすればよいのでしょうか」と安易に答えを求める読者が枚挙いとまない。橋本治の「わからない方法」の結論と同じく、環境問題も答えが科学者の作ったマニュアルに書いてあるものではなく、自分で考えていく宿題である。地道に地を這うように愚直に考えていくしかない。 余談になるが池田氏も養老氏も虫取りの盟友である。虫取りは環境原理主義者には敵対視され、肩身の狭い思いをする。虫取りは自然を破壊すると追及されたときに、池田氏がゴキブリの研究をしているんですと答えたところ(たぶん嘘)、相手はそれ以上何もいわなかったそうだ。(これは本書に書かれたエピソードではない)

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Comments

TBありがとうございます。
環境原理主義とか、人間中心主義とかを
ユーモアまで感じさせながらしりぞけてゆく
養老先生の語り口には脱帽ですね。

Posted by: fuRu | November 20, 2005 at 01:20 AM

いつもコメントありがとうございます。養老先生ブームは沈静化した感がありますが、ようやく先生も落ちいて中身の濃い執筆と虫とりに集中できるのでしょう!

Posted by: 管理人 | November 20, 2005 at 09:10 AM

TB恐縮です。
教育論から環境論まで養老節は虫の切口で語られるのがおもろいですね♪

Posted by: 別冊編集人 | November 20, 2005 at 03:14 PM

ご丁寧にコメントありがとうございます。やはり本当に好きなことが、語りの中の思想に露呈してしまうのでしょうね。虫屋さんたちの情熱は恐ろしいくらいの気迫もありますね。

Posted by: 管理人 | November 22, 2005 at 11:06 PM

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