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戦後生まれの義務としての読書 小説 太平洋戦争 2 山岡荘八

小説 太平洋戦争〈2〉
小説 太平洋戦争〈2〉
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山岡 荘八
講談社 (1986/12)
売り上げランキング: 93,220
おすすめ度の平均: 4
4 奇襲で始まるが敗戦は続く

奇襲成功で始まり敗戦は続く

和平、決戦の二股で準備は進む。有名な野村大使の米国との交渉は暗号解読され、泥沼化し、会談を重ねる毎に不利な状況になっていく。世論は戦争反対にがすねに傷の米国は、論説としては聞いていた、日本から奇襲をしかけさせる罠にはめたという流れももっともな主張に読める。

パールハーバーの奇襲成功も運のよさが重なったものだった。米国空母が集中した停泊。天候。そして浅瀬の湾に魚雷弾を打ちこむ戦闘機の操縦テクニック。そして山下大将はマレー半島を南下して英国占領地を次々と制覇し、米国統治のシンガポールを落城させる。マッカサーはこの時期、一時撤退して、極東での戦局を見守る。

しかし、ここからが敗戦の一途である。ミッドウェイで空母をことごとく駆逐され、山本長官機も墜落。ガダルカナルを始め太平洋の小さな島での読むに耐えない局地沈痛な戦闘の連続である。物量の圧倒的な差、指令本部と現場の指示と報告の乖離。まさに死地に次から次へと兵隊を送る如き後戻りできない状況。印象的だったのはそれぞれの戦場の現場の指揮官の高邁さだった。略奪をいさめ、殺された部下たちを思い、鬼のような大将も陣地のはずれで泣いていた。

信憑性は議論あるかもしれないが、ここは従軍した著者の記述を信じよう。日本軍の武器と食料の兵站の根本的欠落とラジオの流れる、避暑地のような米軍のキャンプ。赤道直下の島の服装のままアルプス縦断のような奇襲をしかけるが山脈を越えたのはその何割かという強行軍。立ったまま凍死するもの。 広い太平洋の戦略上の要となる島が点から点へと移動し、硫黄島から、沖縄へと。ついに本土大空襲。

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