« 失踪日記 吾妻ひでお | Main | 鬼才 諸星大二郎を語らずして漫画通を語るなかれ 西遊妖猿伝 »

サイエンスを文学として読む作業 理科系の文学誌 荒俣宏 

理科系の文学誌
理科系の文学誌
posted with amazlet at 05.08.26
荒俣 宏
工作舎 (1981/01)
売り上げランキング: 153,011
おすすめ度の平均: 5
5 荒俣氏のデビュー作

サイエンスを文学として読む作業

海外幻想文学の翻訳などを行っていた荒俣氏の本格デビューは本書から始まる。幻想文学という現世と異界の境にのめりこんだ荒俣氏の好奇心は、幻想文学やオカルト、神秘主義の範疇で収斂するものでなく、荒俣氏の著作に一貫して現れるワンダーへの好奇心は、まず本書で科学書に発露された。

科学の進歩は常識の定説を覆していくことにあり、原理主義との違いは、反証を受け入れる点にある。それゆえに科学と奇想は紙一重になりうる。

荒俣氏の好奇心は無名、有名な古典の科学書を読みあさり、その中に著者の主張に隠れた奇想や文学的想像性を見出していく。これこそが荒俣氏の真骨頂の評価されていないものの中に新たな息吹をこめる作業の原点であると思う。科学に文学性を見出すの荒俣氏の作業は、日常の無用物に芸術を見出す赤瀬川氏の活動とある点、共通点も感じる。

荒俣氏の初期の著作は上梓までの、不遇の研究期間が長かったためもあり、その後の著作に比べて、極めて密度の濃いものになっている。

そう言えば元奥さんの杉浦さんが亡くなられましたね。合掌。

投稿

皆さんのクリックが励みです→人気本・読書blogランキング ありがとうございました。

|

« 失踪日記 吾妻ひでお | Main | 鬼才 諸星大二郎を語らずして漫画通を語るなかれ 西遊妖猿伝 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61482/5650131

Listed below are links to weblogs that reference サイエンスを文学として読む作業 理科系の文学誌 荒俣宏 :

« 失踪日記 吾妻ひでお | Main | 鬼才 諸星大二郎を語らずして漫画通を語るなかれ 西遊妖猿伝 »