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鬼才 諸星大二郎を語らずして漫画通を語るなかれ 西遊妖猿伝

西遊妖猿伝 (16)
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諸星 大二郎
潮出版社 (2000/03)
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おすすめ度の平均: 4
4 第二部「河西回廊篇」めでたく?終了。

鬼才 諸星大二郎の幻想文学漫画、西遊記

鬼才 諸星大二郎氏が三蔵法師の西遊記を換骨奪胎して、再構築した大スケール、奇想に満ちた超大作である。中国古典文学体系のオリジナルの西遊記も、絵本の西遊記とは比類のない幻想文学性にみちあふれているが、本作品も1000年以上の歳月を経て、現代に出現した傑作である。諸星氏の作品は一部ファンにのみ評価されてきたが、本作品も連載していた双葉社のスーパーアクションが廃刊するなどの不遇もあり、天竺までの途中で第一部完結してしまった。

諸星氏の毛筆のような作風は、デッサン画のようなリアルな描写でも、線を単純化したいわゆる漫画タッチでもなく、しいていえば書道や日本画がそなえていた動きを描写に優れ、現代の日本の漫画家にはないものであり、それだけでも不思議な魅力をもっている。

わかりやすい例えでいえば、主人公の斎天大聖の悟空は宮崎アニメの主人公によくあるように、二つの世界の境界に位置する存在であり、魑魅魍魎や危機的状況化で、支配者階級に惨殺されてきた庶民の怨念が具現化した斎天大聖が乗り移って人格が変わる。ドラゴンボールを凌駕する暴力的ダイナミックなアクションのシーンは圧巻である。

第一部が完結して久しいが一ファンとして、第二部の再開を期待してやまない。

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