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野心なき名参謀 黒田官兵衛 播磨灘物語

播磨灘物語〈1〉
播磨灘物語〈1〉
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司馬 遼太郎
講談社 (2004/01)
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おすすめ度の平均: 4.33
4 野心なき名参謀 黒田官兵衛
4 野心なき名参謀
4 野心なき秀吉の名参謀 黒田官兵衛

野心なき名参謀 黒田官兵衛

秀吉の参謀を勤めた黒田官兵衛を主人公に戦国時代の信長の台頭から秀吉の天下統一までを描いた作品である。官兵衛は名参謀という言葉から連想されるような劇画的な謀略や奇襲作戦を繰り広げた訳ではない。

播磨は官兵衛の祖父が仕官を求めて、すみつき、父の代で得た地元の小国、小寺氏の家老の職を得たという因果の土地であったが、信長・秀吉の西国進出にとって毛利氏支配域との境界領域にあり、小さな領域ながら天下統一の上では重要な場所であった。それゆえ無名の身ながら、いち早く秀吉と知己を得る。

司馬氏があとがきでも記しているように信長の登場に合理主義と商業の活性化という新しい時代の匂いを感じ、地道に外交官として、敵を説得・調略していった印象が残る。また、信長・秀吉の先進性をいち早く見ぬきながらも、最後は官兵衛を見殺しにするような小寺氏への義理だてを捨てきれないジレンマがみられる。本書の1つの山場は共に信長の家臣であった荒木村重氏の謀反に一身、説得に向い、牢獄に幽閉されてしまう場面であろう。自分の理知を過信し、説得に失敗した事を反省しながらも牢獄で生き延びていられることだけに希望を感じるような淡々とした性格が如実に表れている。
 秀吉の後継は官兵衛とも伝聞もあったにも関わらず、野心もみせず淡々と戦国時代を生きた稀有な人物であると感じた。

信長の秀吉、明智という家柄はないが才能ある者たちを、徹底的に働かせ、褒美をとらせるやり方には、昨今の新進企業や成果・実力主義に似たものも感じてしまった。
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