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シェーカー―生活と仕事のデザイン

シェーカー―生活と仕事のデザイン
ジューン スプリッグ June Sprigg Michael Freeman 藤門 弘 マイケル フリーマン
平凡社 (1992/11)
売り上げランキング: 316,957
おすすめ度の平均: 5
5 合理主義と宗教が生み出す機能美
5 質素でシンプルでとても素敵

合理主義と宗教が生み出す機能美

シェーカーとは米国で18世紀に発祥したシェカー教徒のコミュニティである。現在は彼等の残した家具・調度品のレプリカがシェカースタイルとして、知られている。シェカー教徒は、男女のそれぞれ独身の集団が自給自足と祈りの中世の修道院のような暮らしを送った。中世は終わり近代化の始まる時代に世俗を離れ、ストイックで簡素な暮らしを営んでいたのだが、そこには中世の修道士たちとは異なる人生観・宗教性が、ユニークな事に近代化と双子のような合理主義をおび、そのライフスタイルの実用目的のシンプル、簡素さが芸術のミニマリズムをも越えるシンプルな機能美を、生活スタイル、家具、住まいに表れ、現代に遺された。

 純芸術性を追及して美しくなるのではなく、生活のための簡潔かつ合理性を追求したストイックな宗教性を帯びた機能そのものが美しさを生み出しているのが極めて興味深い。本写真集の細部をよく観察してその美しさを堪能してほしい。

その代表例は鴨居に脱着できるペグ(=フック)である。箒も服も、そして椅子までがすべてこのペグにかけられて、床には何も置かずに整頓する事ができる。タンスは部屋に組み込まれて、タンスの上や裏にごみがたまることもない。また彼等はアイディア集団であり、独自の集団洗濯システムや配膳、ダストシュートのしくみを作り上げ合理性の高い暮らしを送っていた。

合理主義の美しさを彼等の生活と道具を見て堪能する事ができるとともに、宗教性と合理性の稀なる遭遇が我々のエコロジー社会(という言葉は個人的にはあまり好まないが)の1つのあり方のように示唆を与えてくれる一冊である。

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