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無縁・公界・楽―日本中世の自由と平和 網野 善彦

無縁・公界・楽―日本中世の自由と平和
網野 善彦
平凡社 (1996/06)
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おすすめ度の平均: 4.8
5 民俗の歴史学は本書で始まった
4 日本中世の自由とは何か
5 「自由」をつきつめるのなら

民俗の歴史学は本書で始まった

惜しくも、物故された歴史学者、網野善彦氏の網野歴史学とでもいうべき史学の代表作である。日本でも欧州でも中世は宗教の支配する暗黒の時代と認識されていたが、本書によって、網野氏は日本の中世の封建時代の中の農民や武士以外の人々(職人、非定住人)の生活を克明に調べ上げ、駆け込み寺に代表されるような、当時の支配体制から、切り離された自由の空間があった事を指摘する。 近代になり、中世の支配階級のような物資に恵まれた我々であるが、目に見えない管理社会の束縛と自由という名の不自由さを考えるとき、中世から近代の変遷とはなんだったのだろうと感じてします。

本書によって日本の歴史学も、支配階級・制度の闘争と変遷から庶民の暮らしが研究の対象として切り拓かれていった。一度だけ、地元の公民館で講演があり、参加したことがあるが、ふすまの下張りの古文書を探し出して、論考にまで積み立てる地道な作業に、アームチェアディテクターではない、泥臭い学問の一端を感じた。
柳田国男が民俗学を作ったように、網野氏は本書を基点として民俗歴史学を作り上げたのだと評価している。

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