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楽天の研究―なぜ彼らは勝ち続けるのか

楽天の研究―なぜ彼らは勝ち続けるのか
山口 敦雄
毎日新聞社 (2004/12)
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三木谷氏の起業精神とショッピングモール事業の課題

楽天社長、三木谷氏を代表とする経営陣のインタビューによる楽天の企業分析書である。三木谷氏は日本興銀勤務時代にハーバードにMBA留学を経験し、ハーバードの同級生たちの起業の志と阪神震災における叔父の死をきっかけに、楽天の事業化を決意する。

起業の立ち上げは当然の事ながら、容易ではない。ショッピングモールのシステム開発も、業者の発注する資金もなく、創業時のパートナーが素人ながら作りあげたとの事には驚いた。日本で最初のネットショッピングモールを立ち上げても、出店勧誘に商店主売上げには悩みながらも、疑心暗鬼で、どぶ板営業の積みかさねだった。

そしてネットバブルのはじけた時期に、買い時のネット企業や業績の低迷した証券会社等の買収を進め、拡大化を図り、ネットショッピングの百貨店を築き上げた。

レビュアーの経験でも、日米の若者の起業意識の差と、日本での起業の環境の貧しさを痛感する。M&Aによるショッピングモール事業の拡大は楽天のオリジナルではない。Amazonが先行して、10以上の企業とM&Aや提携を行って、実現しているものである。ネットショッピングモールという事業自体、イノベーションといえるほどオリジナルな事業創造ではない。とにかく。三木谷氏はなんとかそれをやってのけた。既存の大手商社や銀行が出資しあって、試しにやってみるのとは異なる、三木谷氏の強い事業化精神にオマージュを感じないではいられない。

本書でも記されているように、ネットショッピングモールの源泉は出店パートナーからのフランチャイズ収入に依存している。競業する企業の出現に対して、どのようにパートナーを囲い込み、差別化を図るかが、楽天の課題であると感じた。

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Comments

 楽天が勝ち続けることはないと思います。
出店からのフランチャイズ収入で成り立っていますが、店子にはフランチャイズであることは明記されていませんし、集客やメールマガジンは店子が独自に行っているのが現状で、やがて楽天の「集客力」の実態が見えたとき、店子は去っていきます。
 楽天出失敗した店子が去るだけでなく、成功した店子までもが去っていく原因はなんでしょう。出店前に気づく人が増えてくると現状の方法は難しくなるように思います。

 楽天で成功した店子がなぜ成功したか。
これがポイントです。
楽天に出店したから成功したのでしょうか?
ネット上のことですから・・・

Posted by: 楽天はショッピングモール? | December 27, 2005 at 07:05 PM

楽天はショッピングモール? さんコメントありがとうございます。私は小売りのフライチャイズも楽天の出店規約も知りませんが、少なからずコンビニ並のフランチャイズならば、うわさに聞く本部の厳しいとりたての対価としてのPOSによる売れ筋商品の情報の提供とご指導があってしかるべきと思います。ネットモールだと同一商店が複数あるわけではないので、販促の指導までできないでしょうね。とすれば、個々にWebサイトをひらきSEO対策するよりは楽天市場に店をだせば、一見のお客さんは集客できるでしょうし、ご指摘のとおり、出店後の売りは関与しないとなれば、自助努力でリピータを掴んだテナントさんは楽天にこだわる必要もなくなりますね。プロジェクトXで好評だった鈴木敏文氏の米国セブンイレブンのライセンスが全く役にたたず、独自のノウハウで成長させたように、楽天さんもネットショップさんも、ますます競争に勝っていくための戦略が必要でしょうね。

Posted by: 管理人 | December 28, 2005 at 01:16 PM

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