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唯幻論・人間は本能の壊れた動物である ものぐさ精神分析

ものぐさ精神分析
ものぐさ精神分析
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岸田 秀
中央公論社 (1996/01)
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5 唯幻論・人間は本能の壊れた動物である
5 世界観が変わる
5 常識のひっくり返しのオンパレード!

文系・新大学生に奨める思想・心理学の恰好の名作

新学期を迎え、新大学生、新社会人に思想・心理学の恰好の名作を紹介したい。岸田秀氏の著作の原点である。特に大学に入って、これから人文系の勉強を志す若人には、大学の講義の退屈さに、幻滅する前に、読んでほしい。新社会人には思い通りにいかない会社や世の中の愚痴をこぼす前に、本書を読んで、社会の虚構性を認識しておいてほしい。

岸田氏の思想は後世の残る金字塔とは言いがたいが、自分の経験に基づいて、自分の言葉で平易にヒトの意識について持論を展開しているので大変読みやすい。主張は至ってシンプルである。ヒトが動物と違っているのは脳が壊れて、その代用品として”幻想”を本能に代わる規範としてもつ=意識をもつようになったというものである。岸田氏はこの思想を唯幻論と呼ぶ。何やら仏教の色即是空のようで、それを言ったらおしまい、とはならない豊穣な知の世界の入り口である。

唯幻論(=幻想)は岸田氏の固有の経験から生み出された稀有な持論であるが、20世紀の後半の1/4世紀の思想の潮流から逸脱したものではない。全共闘世代のバイブルであった吉本隆明氏の「共同幻想論」、パンツをはいたサルでニューアカディミズムの先駆となった栗本慎一郎氏の「幻想としての経済」。レビュアーの理解ではこの「幻想」とうキーワードは、ヒトが必要とする虚構の”物語”と名前を変え、文芸評論の中でも議論されて行った。その代表は元東大総長の蓮実重彦氏の難解・韜晦な思想書である。

こうした書物を読んでいくと、ヒトの合理的活動と思われている経済でさえ、如何に言葉という虚構で作られた薄氷の上に成り立っているか認識することと思う


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