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ゼロ・サム社会

ゼロ・サム社会
ゼロ・サム社会
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レスター C.サロー 岸本 重陳
TBSブリタニカ (1981/01)
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在庫切れ
おすすめ度の平均: 4
4 ゼロ・サムとは何か 40年前の米国経済に学ぶ

ゼロ・サムとは何か 40年前の米国経済に学ぶ

ゼロ・サム社会とはスポーツ試合のように勝者に対しては必ず敗者のいるゲームと化した社会である。ギャンブルでは勝った人間が手にいれるものを、敗者が失われざるをえない。(胴元の手数料は除く)

サロー教授が本書でこの理論を提唱して、経済学界でこの用語が認知された。本書は70年代の米国の飽和した先進産業国にゼロサムの徴候を見出し、原著の副題である「分配と経済変化の可能性」が唄っているように、ゼロ・サム社会では仮に社会の経済利得が増加したとしても、それは平均値という統計の示すものであって、富めるものがより豊かに、貧しいものがより貧しくなる事を隠微する危険性を示唆している。

本書は一般市民を読者と想定し、インフレ、低成長、環境などがどうゼロ。サム社会に影響を与えるかという分配の公正性について議論をしている。70年代のアメリカの時事・世相を題材としてわかりやすく解説をしているが、翻訳書である事もあり、現代の日本の一般読者には、決して読みやすいとはいえない。

しかしながら、ゼロ・サム社会は米国固有の現象でなく、先進国である日本でもすでに直面している事実である。

各論に関してはインフレが貧しいものにはより負担を強いるものであると結論していて、確かにハイパーインフレを起きたアルゼンチン、韓国ではその事は実証されたとは思うが、デフレの続く日本でも二極化は進んでおり、インフレだけが要因になっているとは言えないだろう。逆に考えればハイパーインフレではもっと経済の深刻化が進むとも解釈できる。

富の分配の妥当性、インフレにととまらず、環境問題も含め、本書の理論予測は今後の日本でもオープンイシュー(解かれてない課題)となっており、輝きを失っていない。

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