« お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 | Main | ミクロ経済学入門 »

四千万歩の男

四千万歩の男〈1〉
四千万歩の男〈1〉
posted with amazlet at 05.02.19
井上 ひさし
講談社 (1992/11)
売り上げランキング: 156,840
通常2~3日以内に発送
おすすめ度の平均: 4.5
4 偉大なる愚直さ It is not too late to learn.
5 絶妙な会話


偉大なる愚直さ It is not too late to learn

著者も記していることだが、レビュアーも愚直・地道は嫌いだった。理論やそれに基づく言動を指向した。かつて、この本を読んで、その考えを改めさせられた。世の中にでて、それがわかるくらい歳をとっていたのかもしれない。

日本地図をひたすら歩くという愚直な方法で作り上げた伊能忠敬を主人公にした小説である。田舎の貧しい家に生まれ、その才を認められ、少しは豊かな家の養子になり、さらには江戸の商家の養子となる。小説では妻は悪妻である。忠敬は地道に養子に入った店の商いに身をささげる。そして、妻が亡くなり、還暦まじかの歳になって、忠敬は関心のあった天文学に没頭し、幕府の天文学者とも懇意になり、歩いて日本の地図を作る旅にでる。シュリーマンも子どものころの夢だった古代遺跡発掘を実現するために、まずは資金づくりのため商人に長い年月を費やしたと聞くが、そのエピソードにも似ている。

小説の中には江戸時代の学者、文人、豪商が登場し、その人脈のネットワークと江戸時代の文化が浮かびあがってくるのも楽しい。話は主人公が橋の上の犬の糞も歩数計数に集中して踏んでいくところからはじまり、小説のところどころには水戸黄門漫遊記のようなユーモア小説になってしまうのが、著者の持ち味なのかもしれないが本書では、返ってしらけも感じてしまった。

人は何歳になっても、どんな方法であっても目的と意志があれば偉業を達成できる事をしみじみと考えさせてくれた。

皆さんのクリックが励みです→人気本・読書blogランキング ありがとうございました。

|

« お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 | Main | ミクロ経済学入門 »

Comments

はじめまして。トラックバック&コメントありがとうございました。

シュリーマンとの相似、おもしろいですね。確かに共通点は多いかもしれません。
それと、江戸時代の人のネットワークについても、なるほどと思いました。この小説は、江戸時代の庶民文化を知るという点でも傑作だと思います。
こちらからもTBさせていただきます。

Posted by: yappi | February 11, 2005 at 12:28 AM

コメントありがとうございます。歴史小説を読んでいると江戸時代という安定した封建制の中でも才能ある人材は養子という本音と建前の1つかもしれません。それと好きな事を実現するにも、古今東西を問わず、まずは財を成してからという類似とシュリーマンとの比較に感じました。ご指摘の通り、レビューでは書ききれませんでしたが、本書は登場する文化人の多さとそのつながりにも、登場人物の事がもっと知りたくなる江戸の文化を見事に描いていると思います。ただ、
どこまでが事実なのか、読後に思いましたが、そんな事はどうでもいいでじゃないかと思わせる側面も感じました。

Posted by: 管理人 | February 11, 2005 at 03:26 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61482/2853268

Listed below are links to weblogs that reference 四千万歩の男 :

» 「四千万歩の男」(井上ひさし) [カクレマショウ]
伊能忠敬が星学暦学を志し、日本の海岸線を測量し始めたのは56歳の時だという。 当時の平均寿命なら、既に鬼籍に入っていてもおかしくない年である。それまでの彼は下... [Read More]

Tracked on February 11, 2005 at 12:29 AM

« お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 | Main | ミクロ経済学入門 »