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キャピタル・フライト 円が日本を見棄てる

キャピタル・フライト 円が日本を見棄てる
木村 剛
実業之日本社 (2001/11)
売り上げランキング: 185,893
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おすすめ度の平均: 3.33
4 日本が、日本人が直面するリスクに警鐘を鳴らす
2 理論と直感のギャップ
1 あのー・・・日本は変動相場制なんですが・・・

国家のバランスシート解析と国債、不良債権の解析は納得

リスク管理と会計戦略を得意とする木村氏による経済破綻の警句論集である。キャピタルフライトとは経済破綻によって、日本に集まった外貨や円が国外に流出する事を表現している。本書は、前半が日本の経済が抱えている実態と潜在的リスクを正確に指摘し、後半ではその現実から想定される将来の経済破綻のシナリオを記している。

 まずは得意の会計のマクロな視点で日本のバランスシートを試算し、決算報告書として明らかに債務超過になっている事実を具体的金額で指摘する。債務超過の状態の中で、(確か大平内閣で)特別に発行した赤字国債の発行が既成事実化して、年々かさんで行く事に危惧する。いささか飽きれた事に満期の国債の返金には借換国債を発行して、自転車操業・問題の先送り状態であった事を知った。

 不良債券についても、不良債券政策の大きな問題点を指摘している。正しい不良債券の処理は会計の基本通り、貸倒引当金として負債に計上(結果として自己資本が減少)して、資産と資本が等しくする、間接償却である。 ところが金融当局の提唱した直接償却論では不良債権の回収をあきらめて、バランスシートから切り外して、不良債権を無くす事が目的となって、結果として、会計が経営の正しい実態を記述していないという、会計基本の無視であると指摘している。更にマクロな視点では仮に不良債権を他社に売却してしまえば、会社単体では不良債権が無くなったように見えるが、日本経済全体では不良債権がババぬきのように移動しただけで本質的解決していない事を指摘する。

後半の経済破綻のシナリオについてはレビュアーは予測否定派のためノーコメントである。

レビュアーの素朴な視点を1点。年金は将来のリターンの保障が怪しい貯金だから、支払わないが、国債は少しだけ高利回りの貯金と思って、買いこんでいるが、国家に対する借金の証書という点ではどちらも実は同じものではないだろうか? 国家が債務不履行(デフォルト)を発動すれば、年金も国債も同じだ。国債を貯金と思っていたら、利息支払い約束をした国債年金だったとしても、貴方はまだ国債を購入しますか。 

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Comments

コメントありがとうございました。
この本は読んでおりませんが、ご指摘のように、「不良債権の押し付け合い」では何の解決にもならないとのこと、その通りと思っております。
また、年金と国債は国家の信用力をバックにしている点で同じようなものと思いますね。

Posted by: kanconsulting(かん) | February 20, 2005 at 11:20 PM

コメントありがとうございます。何が正しいか断言するのが難しい時代ですが、少なくとも市民がマスコミや当局に躍らされないための智慧は必要と思います。

Posted by: 管理人 | February 21, 2005 at 09:27 PM

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